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ECサイトの訪問者数は多いのに、中々売上に結びつかない…。そういったお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は、ユーザーの検索意図を考慮した検索エンジンを構築することによって、このような問題を解決する方法を紹介していきます。機械学習を活用したアプリケーションの1つである検索エンジンは、個人のブログからAmazonや楽天市場など、殆ど全てのECサイトで使われています。これらの検索エンジンの性能やECサイトのユーザー体験は、高精度の検索結果を提供できるかどうかにかかっています。
検索意図とは
皆様も恐らく使用されているGoogleは、ユーザーの利便性を第一に考慮し、検索意図と一致する検索結果が上位に表示されるアルゴリズムの改善を常に行われています。それと同様に、貴社のECサイト内などの検索エンジンも、検索意図に適した結果を表示できる高精度なものにすれば、サイトの滞在時間や売上アップにも繋がるでしょう。
検索意図の重要性
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検索「精度」とは
次に、検索「精度」とは、ユーザーの検索意図と一致する結果をどれくらい正確に提供できるかということです。検索エンジンが表示する結果は様々な要因によって異なります。
①テキストマイニング: 検索キーワードを含む商品やページをサイトから探すプロセス。
検索クエリと一致する語句を含む商品や記事をリストを選び出せる検索エンジンを構築するためには、大量な学習データが必要となります。
②語句に対する重み付け: 検索クエリ内のどの語句や検索フィールドを優先させるかを決定するプロセス。
検索クエリの各語に数値が与えられ、それが検索結果に反映されます。どの語句を優先させるかを適切に判断できるかどうかが、良い検索エンジンと優れた検索エンジンの分かれ目になります。
③人気度: 検索クエリの結果に表示された商品がクリックされた回数。
製品やページの人気度が高い場合、これまでそのコンテンツを役に立つと感じた人が多いということなので、新規ユーザーも同様に感じる可能性が高いと検索エンジンは判断します。
音声検索について
音声検索とは、検索時にテキスト入力ではなく、声で検索クエリを発話する方法です。声で検索をするので、ハンズフリーの状態で使えることが主な利点です。運転や料理中など、テキスト入力が困難なときには便利な機能でしょう。iPhoneのSiriやアンドロイドのGoogleアシスタントなどは音声検索の機能がありますので、日常で使用されている方もいるのではないでしょうか。音声検索とテキスト検索の違いは、入力方法だけであり、ユーザーの検索意図は変わりません。しかし、残念ながらGoogle search consoleやアナリティクスで、音声文字変換し、解析ができる性能はまだ搭載されていません。
検索機能はしばしば、ECサイトで最初に使用されるため、潜在顧客と企業との間の最初のやり取りになります。検索エンジンの性能が高いと、ユーザーからの信頼性も高まるでしょう。逆に、検索エンジンの性能が低いと管理が行き届いていないように感じられ、ユーザーは不満を抱くかもしれません。
新規ユーザーが貴社サイトで何かを検索した時、全く一致しない検索結果が表示されれば、そのユーザーは再びサイトを訪れることはないでしょう。 電子商取引のECサイトを例にとると、平均して訪問者の96%以上は何も購入せずにウェブサイトから立ち去ります。このように、既にコンバージョン率が低い中、世界平均を上回るコンバージョン率を達成するためにはどうすればよいでしょうか。
まず、検索クエリに一致するものがない場合に表示するアイテムを賢く設定し、ユーザーの興味を維持してみてください。例えば、貴社サイトで特定の商品を検索してくれているユーザーがいるのに、たまたまその商品を切らしているとしましょう。そのような時にどうするかが、ユーザーを自社サイトにつなぎとめておけるか、脱落し別のサイトに逃げられてしまうかの分かれ目になります。

単に「一致するデータは見つかりません」や「売り切れ」と表示する代わりに、自社サイトでユーザーのクエリに最も近い商品やページを見つけ出し、表示することが重要です。
アマゾンの強み
これを完璧に実行している例がアマゾンです。アマゾンは世界最大の電子商取引サイトとして、毎日何百万件もの検索クエリを受け取っています。例えば、アマゾンで「ブランドAのモカブレンドコーヒー」を探している人がいるが、ブランドAはアマゾンでモカブレンドコーヒーを取り扱っていないか、完全に売り切れだったとしましょう。アマゾンは単にユーザーにそれを伝えるだけでなく、ブランドBやブランドCのモカコーヒーを検索結果として表示するでしょう。
あるいは、ブランドAの他のコーヒーブレンドを表示するかもしれません。ここで、ユーザーは決断を迫られることになります。その特定の商品を探すために店に出かけたり、他のオンラインマーケットを試したりするのか、それとも他のブランドや商品で良しとするかという決断です。わざわざ外出し、あまり評判の良くないオンラインマーケットで購入したりしたくないとユーザーが考える可能性は大いにあります。
基本的に、精度の高い検索エンジンというのは、ユーザーに「当店ではその商品を取り扱っておりませんが、こちらもそれと同じくらい良い商品です」と勧める優秀な販売員のようなものです。個人ブログを書いている場合でも、オンラインビジネスを行っている場合でも、関連性の高い検索結果やお勧め情報を表示することで、競合他社に乗り換えられるのを防ぎ、ユーザーを自社サイトにつなぎとめておくことができます。
検索意図と一致した結果を出す
一方、お勧め情報は諸刃の剣でもあります。お勧め情報がクエリと全く関連性がない場合、ユーザーは苛立ち、貴社サイトは信頼性をなくしてしまいます。お勧め情報が効果を発揮するかどうかは、その関連性次第です。同様に、検索エンジンの性能は、ユーザーが探しているものをシステムがどれくらい正確に予測できるかどうかにかかっています。

検索意図に適した「お勧め情報」を表示するには
検索エンジンを強化するため、開発者は特定のタスクに関する正しいインプットとアウトプットの例を数千件も集めた大規模なデータセットを利用します。 自然言語処理には複雑なセマンティックが関係するため、100%正確にテキストデータにタグ付けできるAIプログラムはまだありません。プロジェクトに独自の要件があったり、カスタムデータが必要な場合は特に大変です。そのため、機械学習に役立つ最適なデータを提供する唯一の方法は人間によるタグ付けです。しかも、タグ付けをする人間は、特定の言語のネイティブ話者で、機械が学習する必要がある文化に精通していなければなりません。このようにして作成されたデータをアルゴリズムに何度も学習させることで、検索エンジンはデータから導き出される一連のルールを学びます。
テクノロジーが飛躍的に進歩を遂げる現在、最も正確な検索結果を提供するための鍵となるのは、人間によるデータ作成とモデル検証です。