目次
法制度に関する手続きは非常に煩雑な場合もありますが、ロボットが個別に法的助言を提供し、全ての手続きを手伝ってくれるとしたらどうでしょう?
AIは過去数年、飛躍的に進歩を遂げ、医療や交通、さらには法律など様々な分野で過程の自動化を実現するために利用されるようになってきています。本記事では、AIの活用によって世界中で自動化されていく、法務の仕事をいくつか挙げてみました。
量刑
米国や カナダでは、結婚したカップルの約半数が離婚するので、Wevorceのようなアプリが人気なのも不思議はありません。Wevorceは円満離婚を目標としたアプリで、離婚の際、基本的に税務ソフトウェアと同じような仕組みで機能します。つまり、財産分割や養育プランなど重要な事項に関する希望を夫婦双方が記入すると、アルゴリズムが両者の回答を基にして妥協案を提案するのです。 Wevorceではまた、アプリを開くたびにポジティブな明るい記事が表示されるようにして、離婚する人が困難な時期を乗り越えるための感情的なサポートを提供しようとしています。
カナダでは、Thistooと呼ばれる同様のアプリが離婚するカップルに利用されていましたが、今年初めに閉鎖されました。 このアプリでは、ユーザーが世帯収入や子供の数などの基本情報を記入すると、AIアルゴリズムがカナダの地元の州の判例を検索し、それを基にして財産などの分割方法を提案していました。 Thistooは離婚に必要な様々な書類を自動記入し、年金や医療給付など、忘れてしまいがちな他の書類についてもユーザーに注意を喚起していました。アプリは手続きの最後に弁護士に内容を全て確認してもらうことをユーザーに勧めていましたが、弁護士による確認は必須ではありませんでした。
移民申請
「移民申請のためのターボタックス(ターボタックスは確定申告のための便利なソフトウェア)」と銘打ったSimpleCitizenでは、 市民権、就労ビザ、グリーンカード、永住権の申請を希望する非米国市民が弁護士なしで申請に必要な書類に自動記入し、米国の移民法に関する手続きを行うことができます。現在、全ての書類は弁護士が確認しているようですが、将来的に法務職はAIにもっとこの業務を任せることも可能でしょう。
裁判の判決の予測
AIでは、個々の事実や適用される法律、過去の判例などのデータをコンピュータに学習させることが可能です。 そして、コンピュータはそれらのデータに基づいてパターンを認識し、新しい事例に関して判決の予測を行うことができます。ロボットが法廷で人間の裁判官の代わりに判決を言い渡すようになることはないでしょうが、弁護士は戦略を考案する際にAIを活用することができます。例えば、クライアントが勝訴する見込みはたった 5%であるとアルゴリズムが判断した場合、弁護士はクライアントに和解案を受け入れるよう勧めることになるでしょう。
駐車違反切符
DoNotPayは、駐車違反切符の異議申し立てプロセスを合理化するチャットボットです。 このアプリでは、まず顧客が「受け取った駐車違反切符に不服がある」などといった文章を入力して事情を伝えます。すると、チャットボットが詳細を尋ね、アプリ内を適切に誘導します。最後に、チャットボットが異議申し立てのレターを作成してくれるので、顧客はそれを印刷して署名し、適切な裁判所か機関に提出することができます。異議申し立てのレターには、「 私には、この駐車違反切符の取り消しを申し立てる正当な理由があります。ぜひ公正に判断していただけるようお願いいたします」とか、「この駐車違反切符は先例に矛盾した違法行為であると感じています」などの文言が含まれています。 DoNotPayはまた、駐車違反切符に車の色や型式が誤って記載されている場合など 、技術的な理由で駐車違反を免れようとする際にも利用できます。
法務に関する検索や関連資料の特定
法律事務所は 自然言語処理を利用して、特定の事例に関連する文書の種類を数分で予測できるようになってきています。これによって、弁護士の労働時間が何時間も削減できるだけでなく、顧客にとっては数十万ドルもの手数料の節約になります。さらに、弁護士は、全ての書類について手作業で単語検索する代わりに、eディスカバリーのプレディクティブ・コーディングを利用して関連文書を探し出し、その重要性をランク付けすることができます。プレディクティブ・コーディングはAIの一種で、繰り返し使用されると追加の入力データを学習していくので、コンピュータの正確性が増していきます。
お探しのデータセットが見つからない場合は、当社がご用意いたします。こちらから、お気軽にご相談ください。